会館の歴史的概要

1950年代初頭、私たちのコミュニティー組織の初歩的なものは日系カナダ市民協会(Japanese Canadian Citizen’s Association, JCCA)のケベック支部でした。その後、優に10年以上、日系カナダ市民協会ケベック支部の優秀で機能的な執行部がホスト役となり機関として全国会議やバスケットボールのトーナメントなどを企画し、その活動はかなり活発でした。しかし、日系カナダ人経験した再移動後の諸問題を緩和するというJCCA本来の任務がすでに完了したという見方が地方支部の関心低下と会員数の減少へとつながり、結果的にモントリオール支部は全国組織から離脱し、その活動を停止することになりました。

 

そうするうちにも、日系コミュニティーを代表する機関が必要になり、『日系人会』の創立へと移行していきました。しかしながら、この日系人会はそのほとんどが日本語しか話さない日系一世により組織・運営されていた為に、これはモントリオールの日系カナダ人コミュニティーを代表するものではないと思われていました。日系コミュニティーとしての総合的なアイデンティティーが欲しいという要望とそれをより効果的に再活性化し、カナダの環境に融和させたいという要望からモントリオールの日系カナダ人コミュニティーを代表する中枢的な役割を担う組織が広く求められるようになり、1976年、モントリオール日系文化会館(Japanese Canadian Cultural Centre of Montreal, JCCCM)が設立されました。この頃までには当時の一世たちは歳をかさね、以前執行委員として活躍していた人々も病気になったり他界したりしていました。従って、新しく作られた組織はそのほとんどが日系二世から成り、この二世たちが日本の文化遺産を育成しながらもコミュニティー内の調和を維持する責任を担ってきました。

モントリオールにおける日系カナダ人の歴史
カプセル:
日系カナダ人のカナダ西海岸からの離散とそれに続くカナダ東部各地での再移住はカナダの近代史にとって重要な側面を呈しています。最近、数の上では減少していますが、モントリオールは5000人ともいわれる日系カナダ人にとって1943年以来安住の地であります。日系カナダ人のコミュニティーのみならず、生活そのものを再建する苦闘の記録はインタービューの録音テープ、手紙、写真、その他の書類に保存されています。これらの資料は過去30年以上をかけて故レイ・中島氏とその協力者の皆さんで収集されてきました。この資料は2005年マッギル大学の歴史資料館に移されるまで、中島氏の自宅に保管されていました。その後、別なボランティアーグループがマッギル大学の公文書保管係と一緒にこれら貴重な資料の同定、分類、体系付けを行い、この歴史的出来事に関心のある誰でも特に学生や研究者にとっては価値ある資料の供給源となりました。この資料は下記のウェブサイトで閲覧できます。
http://archives.mcgill.ca/public/exhibits/jcccm/jcccmmain.htm

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